Drawing Installation 18-1/2018

  • 2019.02.28 Thursday
  • 10:06

Drawing Installation 18-1/2018.jpg

 

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Drawing Installation 18-1

2018年

230×500×100 cm

紙、木材、アクリル、水彩絵の具、石

Fのデッサン

  • 2019.02.27 Wednesday
  • 13:11

 

受験生Fのデッサン。

最近になってやっとマッス(量塊)を感じとれるようになってきたかにみえるな。

最初はどうしても説明することが描くことのように誤解してしまうのだが、この絵でワンステップできたかもな。

もっともっと感覚を磨け、感覚をきたえろ!

 

 

安奈のSWEETS(2)

  • 2019.02.25 Monday
  • 14:43

 

 

岩本安奈のSWEETS第二弾。

なかなかいいです頑張っています。安ちゃんすごい勢いで上達していますな。だんだん迫力がでてきました。

ゴッホの気分で

  • 2019.02.24 Sunday
  • 11:13

『ひまわり』集中すれば海斗くんは描ける

 

この絵『ドービニーの庭』、ホンモノがひろしま美術館にあるぞ!

 

ゴッホの『ひまわり』頑張ってくださいよ

 

これは『オリーブ園』の木か?

 

『星月夜』夜の星空の雰囲気いい感じですね

 

子どもたちはゴッホの気分で「ゴッホのまね絵」にとりかかった。まだ、完成してはいないが結構おもしろい絵になりそうだ。最後まで集中して頑張ってほしいものである。

以前にもピカソマグリットに挑戦したこともあるけれど、これがけっこうおもしろい。

ゴッホが活躍したころの日本はどんな時代だったか考えてみると、ちょうど幕末から明治時代になっている。そのころ、ヨーロッパではゴッホたち印象派という人たちの絵が爆発的に噴き出した。

マチスやモネ、セザンヌ、マネ、ロートレックやピカソ、ブラック、デュフィ、ルノアール、スーラ、クールベ、ミレー、ゴッホの友だちゴーギャンら本当にすごい人たちばかりだ。

あの首の長い白目の人を描くの誰だったかなぁ?あっ、そうそうモジリアニだ。モジリアニの映画みた人いない?「モンパルナスの灯」っていうやつだ。古い映画だけど画家って格好いいなと思うぞきっと。

この他にも印象派の作品はひろしま美術館にかなりそろっているぞ、こんど広島に行ったらそこへ行ってみるといい。

 

とりわけ、ゴッホの特徴的な筆あとについて考えてみよう。筆のタッチとかマティエール(画肌)とも云うけど、きれいに描いたのと全然ちがうな。

ゴッホは油絵の具で描いたけど、タッチをどうすれば描けるか考えてみよう。

今日は水彩絵の具だから乾かしながら描くんだよ。でも乾くのをジーッと待つのじゃなくてあちこち描きながら乾かすんだ。だいたい乾いたかなと思ったらまたタッチをいれてみる。

やってみるとけっこう難しいけどおもしろいぞ。

次回、完成させることにして今日はここまでにしよう。ゴッホだって1日でできたわけじゃないからな・・・。

 

We are not twins・・・

  • 2019.02.23 Saturday
  • 17:35

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作者のコメント『We are not twins』

ある時、スーパーで本当に美しい白菜をみつけました。堂々としていて凛とした存在感があって、食べずに私の絵のモデルさんになってもらいました。

2作を描いているうちに、それぞれの白菜が主張をし始めました。「似ているけど一緒じゃないよ、私だけの個性を見て。私は私らしくありたいの。We are not twins!」

 

なるほどなるほど・・・、確かに。

これは2018年度山口県美展(2019年2月14日〜3月3日、山口県立美術館)で佳作賞を受賞した浜桐陽子さんの作品です。2017年にひきつづいて連続佳作賞に決まりました。

前年度は蓮の葉を描いた4点一組の作品で、絵画のいろは展2017(シンフォニア岩国)にて展示しました。

いずれもフォトリアレズム風の快作として見ごたえのある作品です。その前のピンクの牡丹の作品も好評でしたが嫌味のないグリーンの美しい作品が定評です。

技術的にもますます磨きがかかってきていますね。

 

もうすでに、次回作の取り組みにかかっていてとても精力的です。

どうぞ、次回作をお楽しみに・・・。

富士山

  • 2019.02.20 Wednesday
  • 17:37

 

しばらくお休み中だった徳田さん、復帰後の第一作は富士でした。

なかなかパワーがありますね。力強い第一歩です。

市井の営み

  • 2019.02.20 Wednesday
  • 10:20

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《岩国の楠》は、水彩画の持つ透明感を存分に引き出した快作であった。湖水のむこうに茂る楠の樹列と空と水面という単純な構造の風景画であるが、この絵を独特のものにしているのが空と水面を覆う筆跡である。この筆跡を眺めているとポール・セザンヌがセントビクトワール山に向かいながら、苦闘の挙げ句に油絵具の重さから逃れて、紙の白い輝きに最小限の水彩を置くという行為に収斂して行ったのかを思い起こす事になった。このようにセザンヌがあれほど求めて止まなかった光のダンスを、スミさんも感じてこの絵を描いていたような気がしてならない。水彩絵の具という素材的には脆弱なものを、ここまで強い表現に高めるのは並大抵の技量ではないと思うのだが、それを意図というより天然の恩寵によって懐柔し、驚くほどの率直さと単純さによって実現させている奇跡をこの画面には感じる。エネルギーにあふれる楠のボリュームも幾何学の図像のように抽象化し切った点も高く評価したい。

 

これは山口県美展(2019年2月14日〜3月3日、山口県立美術館)で優秀賞を受賞した藤本スミさんの作品「岩国の楠」について解説された審査員・椿昇さんの講評です。印象派の巨匠で現代絵画の父ともいわれるポール・セザンヌの晩年の連作「サント・ビクトアール」を引き合いにして、とりわけこの作品の次元の高まりについて批評されています。

 

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因みに、スミさんが自作についてコメントしたものは次の通りでした。

 

『岩国の楠』

この絵は樹齢300年とも400年ともいわれている岩国の楠の風景を描いた水彩画です。いつも先生からは絵のことはわからなくても一生懸命になって描くことと絵も描くが恥もかくようにいわれています。

恥をかくのは慣れていますが時代が時代だったこともあり、これまで絵に親しむなんて考えたこともありませんでした。ですから、この度のことも本当は何のことやらあまりわかっていないのです。

教室では本当にみなさんお上手でわたしが一番下手でどうしようもないのですが「下手でいい、頑張るだけでいい」といわれています。その結果がこういう作品になったので仕方がないのです。

ただ、絵を描くのは本当に楽しいしわたしにとっては大切な時間になってきていますね。

 

『楠の岩国』

「楠の風景を描きはじめてこの作品が3作目になります。このサイズで描いたのは2作目です。どうして空を点々で描くのかというとはっきりした答えはありません。普通に描いてもおもしろくないし点々で描くことくらいはできると思ったからです。川にも点々が写っているのでそのように描いたのです。

なかなか上手に描けないのですが、いつも下手でいいといわれます。その下手さ加減がおもしろいのだと先生からもいわれますし教室のみなさんから励まされて楽しく描いています。」

 

また、椿さんは総評で今日的な絵画の動向について素朴派やアールブリュット(アウトサイダーアート)の存在を紹介され、絵画のフォーマリズムや限界芸術論をも示唆した興味深い指摘をされていますが、その文脈に立って藤本スミさんの作品を絶賛されているとも言えましょう。

ぼくもほとんど同感でこれまでにも高林キヨについてアンリ・ルソーを引き合いにしながらいろいろな指摘をしてきました。また、オペリータでおなじみのコントラバス奏者・斎藤徹さんや絵本作家で現代アートの作家・田島征三さんもハンディキャップをもつ人たちの表現の可能性について注目しています。斎藤さんは病と闘いながらも彼らとの共同作業においてますますクリアになっておられるし、田島さんはオファーもないのにアールブリュット論を書くとFACE BOOKでおっしゃっていました。

 

昨年は六本木の3つの美術館でアジアの現代アートが大々的に紹介されましたが、これまでの欧米の価値観が相対化されグローバルな意味においてアジアのまなざしが重視されているともいえましょう。このことはアートにおける特権的な身分、あるいはひな壇に祭られいうなれば《専門》と称するものの概念や価値観が問われ見直される状況が目立ってきているとも考えられます。

また、シュールの可能性とその動向にもふれていましたが表層的な映像技術の進化による視点が突出しているけれども、別の意味でシュール本来の視点からラカンやブルドンを読み切った新たなまなざしの台頭が期待されるとしています。なるほど現代を捉える手段の一つとしてシュールの理論は深層心理学や子ども文化論など構造主義的な視点からもその有効性をキープしているということなのかもしれません。

 

ひと頃「専門とは何か」ということについて大いに議論され問題視されてきましたが、現代アートの状況もおそらく社会との関係性が重要視され地域づくりの手段としても考えられるようになってきたのも事実です。

今日においてアートは益々もって《プロ》も《アマ》もない、すなわち《シロート》と《クロート》の枠さえとり払われたともいえるいうなれば「市井の営み」となってきているということかもしれません。

つまり、今回の藤本スミはそういう文脈での評価ではなかったでしょうか、ぼくはそう思います。

 

 

安奈のSWEETS

  • 2019.02.19 Tuesday
  • 11:02

 

これは安奈さんのスイーツです。

でも、彼女がつくったのではありません。

鉛筆で描いたものでした。それにしてもグングン腕をあげていますなぁ・・・。

あっ、キノコが・・・

  • 2019.02.18 Monday
  • 11:01

 

 

あっ、こんなところにキノコ

 

メジちゃんがきている

  • 2019.02.17 Sunday
  • 17:01

 

 

メジロのメジちゃんがきている

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原田美術教室の活動


♛ 第16回絵画のいろは展
2023年11月15日wed〜11月19日sun
10:00〜18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール


この展覧会は、絵を描きはじめて間もない人から山口県美展・岩国市美展など他の美術コンクールや個展などで活躍している大人に加えて、これまでTRY展として活動してきた子どもたちを含む初心者から経験者までの作品を一堂に展示する原田美術教室の研究生およそ20名で構成するものです。 アトリエや教室での日ごろの研究成果を発表すると同時に、人と人、表現と表現のふれあうなかで単に技術の習得のみならず、絵を描くことで何を考え、何を発見することができるかということから、「文化的な営みと豊かさ」あるいは「活力と潤いのある生活」とは何か、という問いについて考える契機となることを願っています。 「絵画のいろは」とは、このように制作上の技術の問題だけでなく、日常生活での活力や潤いのある生活のあり方を考える実践的問いかけに他ならないのです。 特に今回は子どもたちの作品を含めて広く深くそのことを考える風通しのいい構成となっています。研究生として親睦を兼ねたコミュニケーションを大切にし、互いの作品を認める楽しさや表現の多様性について考え、アートのおもしろさを伝えることで地域の芸術文化活動の普及と発展に寄与したいと願うものです。














子どもの作品が大人気








♛ グループ小品展2024
2024年10月3日(水)〜10月6日(日)
10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール



この展覧会グループ小品展は、絵を描きはじめて間もない初心者から山口県美展・岩国市美展など他の美術コンクールや個展などで活躍している経験者までを含む原田美術教室の研究生で構成され、絵画のいろは展とともに隔年で開催するものです。 今回のグループ小品展では、日ごろの研究成果を発表すると同時に、人と人、表現と表現のふれあうなかで単に技術の習得のみならず、絵を描くことで何を考え、何を発見することができるかということ。そして、「文化的な営みと豊かさ」あるいは「活力と潤いのある生活」とは何か、という問いについて考えることを目的としています。 また、グループ研究生として互いの親睦を兼ねたコミュニケーションを大切にし、互いの作品を認める楽しさを発見すると同時に表現の多様性について考え、アートの楽しさを伝えることで地域の芸術文化活動の普及と発展に寄与し貢献したいと願うものです。









 

♛ 山口県美術展覧会2019 2019年2月14日(木)−3月3日(日)9:00−17:00(入館は16:30まで) 
休館日:2月18日(月)、25日(月)
観覧料/一般:500(400)円 学生:400(300)円( )内は20人以上の団体料金
*18歳以下は無料 *70才以上の方、中東教育学校、高等学校、特別支援学校に在学する方等は無料 *障碍者手帳等をご持参の方とその介護の方1名は無料
山口県立美術館

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優秀賞 藤本スミ

入選 玉井康子

入選 中村みどり



佳作賞 浜桐陽子

原田文明の現況2021展


2021年5月19日wed−5月23日sun
10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール



本展は1990年代のはじめ頃から具体絵画として精力的に発表してきた一連の絵画作品とドローイングとインスタレーションによる新作13点で構成するのものです。













原田文明展 ドローイングインスタレーション2018


2018年11月21日wed−25日sun 10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール











ドローイングインスタレーションは、ここ十数年にわたって絵画表現の可能性について考えてきた一連の営為の中で、偶然とも必然ともいえる結果として発見されたものです。
私はこれまで「具体絵画」と称して、物質(素材)が表現目的の手段として扱われるのではなく、物質のあり方それ自体を色彩やフォルムと等しく絵画の重要な構成要素とする一連の作品を制作してきました。
ここでは行為と物質がもたらす一回性の出来事さえも絵画を成立させる重要な要素として捉え、作為的な感性によって空間へと展開されています。いうまでもなく、そのことによって生成される新しい意味と存在の可能性をリアルな知覚的世界として位置づけ、形而上学的な意味を問いかける主知的な営為と考えてきたのです。
さらに、その表現形式のあり方は平面的な二次元の世界から室内空間(場所)を構成する三次元的な世界へとその機能性を拡張し、ドローイングインスタレーションともいうべき様式へと変容させ意識化されてきたとも云えます。
私にとってもはや絵画は多元的な空間へと自在に移ろうイリュージョンの世界へと変容してきたと云うべきかもしれません。それは身体性を意識したメタフィジカルな実践として存在論的に見えかくれする場面への接近であり、換言すれば世界を包み込む現存(リアルな世界)への希求の現われというべきかも知れないのです。
本展はこれまでの多岐にわたる活動をふまえてたどりついた新作ドローイングインスタレーションの様式にさらに色彩的要素を取り入れることによって新境地への挑戦と可能性を探求する原田文明の現況とその一端を示すものです。

里の芸術一揆「里山 ART Project 吉賀」




本プロジェクトは隔年式のアートビエンナーレとして、将来の「地域」「文化」「くらし」を考える文化的なムーブメント(運動)をつくることを目的とするものです。また、地域の農耕文化や伝統に学び、芸術文化の振興発展と普及のみならず、「生活と芸術」「過去と現在」「人と地域」の交流を軸とする文化による地域づくりについて考えるものです。 このことは、吉賀町がこれまで取り組んできた自然との共存共生を願うエコビレッジ構想と合わせて、人間の営みとしての文化と里山の自然について考えることであり、里山に潜在する魅力とその可能性を再確認し文化意識の変革と活性化を推進するものです。 今回は、現代アートの最前線で活躍する8名のアーティストによる最新作を現地で制作し、地域住民とともにワークショップや生活文化など多方面での活発な交流が実現されるものと考えています。 2010年10月開催予定。

岩瀬成子話題の本棚


ジャングルジム(2022年ゴブリン書房)


ひみつの犬(2022年岩崎書店)
「いい人間になるのって難しいよ」とお姉ちゃんは言った。(p238)
児童文学として哲学的な問いをふくむシリアスな問題を子ども特有の感覚と生き生きとした表現で描いた長編物語。


わたしのあのこあのこのわたし(2021年 PHP研究所)

すれちがいながらも 助け合う ふたりの物語

秋ちゃんはすごく怒っていた。「とりかえしがつかない」と秋ちゃんはいった。
「二度と手に入らない」ともいった。どの言葉もわたしに命中した。
きいている途中から心臓がどきどきしはじめた。
わたしは秋ちゃんの怒った顔だけを見ていた。
秋ちゃんの怒りがどんどんふくらんでいくのがわかった。
秋ちゃんはわたしをゆるしてくれないかもしれない。


ネムノキをきらないで(2020年 文研出版)
この物語はおじいさんの家の庭にあるネムノキをきる話からはじまる。ぼくはネムノキをきることに反対だが枝がのびすぎてあぶなくなったから樹木医さんに相談して剪定してもらうことになった、ということだ。
「だめ、だめ。」と、ぼくは泣きながらいった。「こまったなあ。」とおじいさんはいった。お母さんはぼくの頭をなでようとした。ぼくはその手をふりはらった。「ばかだ。おとなはみんな大ばかだ。」ぼくにはもっといいたいことがあった。ネムノキについて。でも、どういえばいいかわからなかった。(…略)胸のなかは嵐のようだった。いろいろな気もちがぶつかり合っていて、どうすればもとのような落ち着いた気もちになれるのかわからなかった。(本文よりp16〜17)
家に帰った伸夫はつぎの朝、自分の部屋をでるとき何も知らずに柱をとおりかかったイエグモをつぶしてしまったことに気づく。


おとうさんのかお(2020年 佼成出版)

岩瀬成子の最新作「おとうさんのかお」が佼成出版社から出版されました。

「遠くを見ろっていったんだよね。おとうさん」と、わたしはいいました。「え」と、おとうさんはわたしをみました。「わたし、思いだした。このまえ、大川で思いだしかけていたこと。じてん車のれんしゅうをしていたときのこと。おとうさんは、『目の前ばっかり見てちゃだめ。もっと先のほうを見なきゃ』っていったよ」「そうだったかな」「『先のほうだけでもだめ、ときどき、ずっと遠くを見るんだ。ずっとずっと遠くだよ。山のむこう遠く』っていったよ」(本文よりp87)


もうひとつの曲り角(2019年 講談社)
野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。

柵には半開きになった木の扉がついていて、その扉に「どうぞお入りください」と青色のマジックで書かれた板がぶらさがっていた。 「いやだ。あたしはそんなところへは、ぜったいに入らないから」ときこえた。 えっ。どきんとした。 庭木のむこうからだった。わたしにむかっていったんだろうか。 わたしは耳をすまして、木々にさえぎられて見えない庭のようすをうかがった。 しんとしていた。 だれがいるんだろう。 わたしはぶらさがっている板をもう一度見た。 それから足音を立てないようにして、そっと扉のあいだから庭に入っていった。しかられたら、すぐににげだすつもりだった。ちょっとだけ、のぞいてみたかった。──本文より。 小学五年のわたしと中一の兄は二ヶ月前、母の理想の新しい家、市の東側から西側へ引っ越してきた。この町で通い出した英会話スクールが休講だったので、わたしはふと通ったことのない道へ行ってみたくなる。道のずっと先には道路にまで木の枝が伸びている家があり、白い花がちらほらと咲いて・・・・。

日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏による美しい装画にも注目!

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地図を広げて(2018年 偕成社)
父親と2人暮らしの鈴のもとに、母親が倒れたという知らせがとどく。母はそのまま亡くなってしまい、母親のもとにいた弟の圭が、鈴たちといっしょに暮らすことになった。 たがいに離れていた時間のこと、それぞれがもつ母親との思い出。さまざまな思いをかかえて揺れ動く子どもたちの感情をこまやかにとらえ、たがいを思いやりながら、手探りでつくる新しい家族の日々をていねいに描いた感動作。


ともだちのときちゃん(2017年 フレーベル館)
フレーベル館【おはなしのまどシリーズ】として出版された岩瀬成子の新刊『ともだちのときちゃん』は、イメージの広がりとこの年頃の子どもが経験する瑞々しい出会いにあふれています。(略)著者はそういう細部をみつめる子どもの感情をとてもよく描いていて、このお話しの最後のところでたくさんのコスモスの花にかこまれて青い空と雲をみつながら「ぜんぶ、ぜんぶ、きれいだねえ」とふたりの気持ちをつたえています。

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ちょっとおんぶ(2017年 講談社)
6才のこども特有のイノセントな感覚世界。この年ごろの人間だけが経験できる世界認識のあり方が本当にあるのかもしれない。あっていいとも思うし、ぼくはそれを信じていいようにも思います。名作「もりのなか」(マリー・ホール・エッツ)が普遍的に愛読されるのもこの点で納得できる気がするのです。
この本の帯にあるように、絵本を卒業する必要はないけれど絵本を卒業したお子さんのひとり読みや、読みきかせにぴったり!といえるかもしれません。どうぞ、手にとって読んでみてくださいね。

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マルの背中(2016年 講談社)
父と弟の理央が暮らす家を出て母と二人で生活する亜澄は、駄菓子屋のおじさんから近所で評判の“幸運の猫”を預かることに。野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化大賞受賞作家による感動作!

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ぼくが弟にしたこと(2015年 理論社)
成長の予兆を感じさせるように父と再会した麻里生には、次第に人混みにまぎれていく父の姿は特別な人には見えなかった。著者は帯にこう書き記している。どの家庭にも事情というものがあって、その中で子どもは生きるしかありません。それが辛くて誰にも言えない事だとしても、言葉にすることで、なんとかそれを超えるきっかけになるのでは、と思います。

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きみは知らないほうがいい(2014年 文研出版)
2015年度産経児童出版文化大賞受賞。
クニさんの失踪、クラスメートの関係性が微妙に変化するいくつかのエピソード、昼間くんの手紙、錯綜するその渦の中で二人の心の変化と移ろいを軸に物語は複雑な展開をみせる。
最終章、米利の手紙にはこう書いてある。それはぐるぐると自然に起きる渦巻のようなものだった。「いじめ」という言葉でいいあらわせない出来事があちこちで渦巻いている学校。
それでも明るい光に照らされている学校。そして苦い汁でぬるぬるとしている学校。学校よ、と思う。そんなに偉いのか。そんなに強いのか。そんなに正しいのか。わたしは手でポケットの上をぽんぽんとたたいた。

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あたらしい子がきて(2014年 岩崎書店)
前作『なみだひっこんでろ』の続編のようでもあり、“みき”と“るい”姉妹のお話となっているけれど、ストーリーそのものはそれとはちがうまったく新しいものである。 ここでは、お母さんのお母さんとその姉、つまり“おばあちゃん”と“おおばあちゃん”という姉妹がいて、知的障害のある57歳の“よしえちゃん”とその弟の“あきちゃん”の姉弟が登場する。 このように“みき”と“るい”姉妹の周りにもそれぞれの兄弟が重層的に描かれている。
第52回野間児童文芸賞、JBBY賞、IBBYオナーリスト賞を受賞。

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くもりときどき晴レル(2014年 理論社)
ひとを好きになるとどうして普通の気持ちじゃなくなるのだろう。誰でもこのような不思議な感情に戸惑いを感じることがある。恋愛感情とも云えないやりきれない気持ちの動きと戸惑いをともなう心理状態のことだ。 本著は、「アスパラ」「恋じゃなくても」「こんちゃん」「マスキングテープ」「背中」「梅の道」という6つの物語で構成された短編集であるけれど、思春期を向かえる少し前になるそれぞれの子どもの現在としてそのやわらかい気持ちの揺れを瑞々しいタッチで描いたもの。

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なみだひっこんでろ(2012年 岩崎書店)
今年度第59回課題図書に決定!

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ピース・ヴィレッジ(2011年 偕成社)


大人になっていく少女たちをみずみずしく描く
「最後の場面のあまりのうつくしさに言葉をうしなった。私たちは覚えている、子どもからゆっくりと大人になっていく、あのちっともうつくしくない、でも忘れがたい、金色の時間のことを。」 角田光代
基地の町にすむ小学6年生の楓と中学1年生の紀理。自分をとりまく世界に一歩ずつふみだしていく少女たちをみずみずしく描いた児童文学。
偕成社から好評新刊発売中!

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だれにもいえない(岩瀬成子著・網中いづる画、毎日新聞社)


小さな女の子のラヴストーリー。
点くんをきらいになれたらな、と急に思った。 きらいになったら、わたしは元どおりのわたしにもどれる気がする。 だれにも隠しごとをしなくてもすむし、 びくびくしたり、どきどきしたりしなくてもすむ。(本文より)
4年生の女の子はデリケートだ。 せつなくて、あったかい、岩瀬成子の世界。 おとなも、子どもたちにもおすすめの一冊。

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まつりちゃん(岩瀬成子著、理論社)
この作品は連作短編集という形式で構成され、抑制の効いた淡々とした表現で描かれているところが新鮮である。各篇ごとにちがった状況が設定され登場人物(老人から子ども)たちはそれぞれ不安、孤独、ストレスといった現代的な悩みを抱えている。その中で全篇を通して登場する“まつりちゃん”という小さな女の子は、天使のように無垢なる存在として現れる。その女の子と関わることによって物語は不思議なこと癒しの地平へと開示され、文学的世界が立ち上がるかのようだ。 岩瀬成子の新しい文学的境地を感じさせる魅力的な一冊ともいえる。

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オール・マイ・ラヴィング(岩瀬成子著、集英社)

■ 1966年、ビートルズが日本にやって来た!14歳の少女が住む町にビートルズファンは一人だけだった。 ■ 「オール マイ ラヴィング」とビートルズは歌う。聴いていると、だんだんわたしは内側からわたしではなくなっていく。外側にくっついているいろいろなものを振り落として、わたしは半分わたしではなくなる。ビートルズに染まったわたしとなる。 ■ 岩瀬成子の新刊、1月31日集英社から好評発売中。“あの時代”を等身大の少女の目でみつめた感動の書き下ろし長編小説 『オール・マイ・ラヴィング』 ■ ビートルズ ファン必見の文学はこれだ!

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そのぬくもりはきえない(岩瀬成子著、偕成社)
■ 日本児童文学者協会賞受賞


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朝はだんだん見えてくる(岩瀬成子著、理論社) ■ 1977年、岩瀬成子のデビュー作。本書はそのリニューアル版で理論社の『名作の森』シリーズとして再発行されたもの。

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