二ヶ月がかりの鉛筆画
- 2019.01.30 Wednesday
- 21:22
先週の凧上げ日和とうって変わって今週は雪の降る寒さ、今日の児童クラスではあえて色彩のないモノクロームのひまつぶし鉛筆画に挑戦。
これらはまだ完成途上の作品ですがあえて鉛筆によるモノクロームの課題に取り組んだのは、それなりの気になるわけがあった。
これまで子どもたちと関わってきて線描の強弱とか調子、微妙な手加減といえばいいのか、その変化だけで成り立つ絵画表現があることを知ってほしかったし経験して欲しかったからである。
このことはまさしく表現における大切な要素の一つでありながらも、現状ではやや見逃されているようにも思うからだ。
加減による調子の変化を考えることは絵を描くことだけでなく、友だちとの関係のあり方についても大切なまなざしのようにも思われる。絵を通じてこのことを考えてみたいと思ったのだ。
無心で描く塗り絵のようなものだからあとは根気だけの問題となるのだが、勉強の合間の気分転換とかひまつぶしのつもりで少しづつ完成させていただきたいです。だから、勉強しないとなかなか完成しないかも、、、、、
さてさて今から仕上がりが楽しみなのであ〜る。
寒そうにしているメジロ。今日は雪が降っているくらいだからなぁ、、、。
「あまり大きくなっていないじゃないか」しっかり食べてちょうだいよ。
ジョウビタキも来ているようだがルリはまだ見かけないなぁ。エナガ、ホウジロもやってくるはずなのだが。
ヒヨやスズメは必ずいる。
昨日は永い間、美術保育でかかわってきた保育園を終了することになった。
この春、小学生になる年長の子どもたちや彼らが入学する小学校の校長や教頭先生の方々とともに会食した後、最後になった美術保育ということで「ゴム動力でうごく作品」をつくってあそんだ。
紙コップ、輪ゴム、ねんどでつくる簡単な工作だ。
まず、輪ゴムのはなしをする。引きのばされたゴムやねじられたゴムはもとのかたちにも戻りたい特徴がある。その戻りたい力をいかした作品であることをはなす。板にとりつけたスクリューをゴムで動かせば舟になるし、プロペラを動かせば飛行機になってゴム動力でうごく作品ができる。今日はゴムにとりつけたねんどの塊をうごかしてコップがうごく作品のカラクリを説明する。
そして、コップがうごくだけじゃおもしろくないので最初にコップをなにかに変身させることにする。
コップに絵を描くんじゃなくてコップを何かに変身させるんだぞ。たとえば、羽やツノ、手やシッポ、口ばしなどをくっつけてマジックで色つけする。それに輪ゴムをつけてクリップでつなぐとねんどをつけてハイできあがり。
あとは誰のがとおくまでうごくか競争する。シッポのながーいヘビがうごくのもおもしろい。ウサギがヘンなうごき方をするのもおもしろい。カメや蝶々の作品もあった。ひとしきりあそんでからお片づけ。
最後のあいさつの前にもう一度考えてみよう。
コップじゃないとできないのかなぁ。 空き箱でもできるんじゃない?
ゴムを二重にするとパワーアップできるかなぁ? 長くするとどうなる? ヘンなことをいろいろ考えてみる。
小学生になってもこのようにヘンなことを考えてみよう。そして、おこられるかもしれないが負けないようにいろいろなことを考えてください。おおくの失敗をしておおきくなってください、ということで最後の美術保育が終了。
園長と主任はあいにく不在だったので、ぼくは他の先生たち数人にあいさつして帰ることに・・・。
多くの子どもたちが玄関まで見送ってくれた。「こんどまた会おう」といってぼくはその保育園をあとにした。
久しぶりに山口県美展の審査会を見学した。今年は当教室からの出品者がけっこういるというので10年ぶりくらいに山口県立美術館を訪ねた。
県美展がこの時期に開催されるというのもめずらしいのだが一部の設備等々の改修工事の関係らしい。それはともかく、学芸員のメンバーも半分以上いれ替わっていて知っているのは斎藤さん、河野さん、荏開津さんくらいだったかもしれない。人のことはいえないがそれも白髪頭になっていたりして風貌がかなり変わっているのでぼくはほとんど浦島太郎の気分。
10年ぶりの県美展はやや小粒になっていて正直にいうと何となく迫力不足を感じた。聞くところによると出品者数もやや減少しているようで景気や開催時期のおくれも影響しているのかもしれないということだった。
それでも、わが教室のメンバーはとても頑張っていたと思う。優秀賞1、佳作賞1、入選2と大いに健闘していたし、結局のところ浜桐さんが搬入してくれた作品はすべて入選入賞となった。また、審査を通じて話題作としても審議にとりあげられ注目された。
残念ながら約一名が入選を果たせなかったのだが、コンペなのだからそういうこともあるしこれは致し方ない。
すべての審査が終了し入選者確定の後、選外となっていた中村みどりさんの「だるま」の作品がひとりの審査員から『テーマ性』の視点からということで、すでに入選が確定していた作品「ちょうちん」とともに《対》として展示すべきとの提言があり、あらためて入選に決定されたのはとてもいい提言で嬉しかった。
本人もおもわず審査員にかけより「ありがとうございました」と声をかけると、「あっ、あなたの作品?」「よかったね」とほかの審査員たちの緊張していた表情もほころんだ。
その後、ぼくたちは湯田で落ち合いみんなで祝杯をあげた。明日の‟賞”決定に期待がもてるとあってとても楽しい宴となった。折りしも今宵の月は満月で「明日はいいことあるぞーっ」と大いに盛りあがったのであった。
ホテルの屋上にある露天風呂は一人きりの貸し切り状態だったし、ぼくはそこからひんやりとした空に浮かぶ満月を眺めていた。
翌朝、美術館に着くとちょうど各審査員が票を投じているところだった。すでにスミさんと浜桐さんの作品に票が入っていることを確認してぼくは他の人たちの作品もひと通り見てまわることにした。このとき、なかなか他を圧倒する作品がないことに気づいた。「これでは一体どれが大賞になるというのだろう?」誰もがそう思ったのではないか、、、
はじめに票の入った32作品(?)が佳作賞として集められ決定するとその中から改めて優秀賞として票が投じられ十数点を選出。さらに6点にしぼられて優秀賞を確定した。その中からさらに大賞を選ぶため三人の審査員にそれぞれ一票の票が渡された。その結果、「椹野川沿いのイノシシの行進」という奇妙な作品が選ばれ再度優秀賞以上の作品について論議された。
最後にわが藤本スミさんの「岩国の楠」と「楠の岩国」について興味深い好評が交わされ大いに注目された。
指導的立場にある者としてぼくはマイクをもつべきかとも考えたが長くなるといけないので躊躇した。だが、日ごろ指導していることがほとんど正確に指摘されていておもしろかった。
あとで、審査員の一人にメッセンジャーでメールを送ると「えー、ビックリ ‼」ということだった。
ほかにも岩国から数人の人たちがこの審査会に来られていたけれどどう思ったのだろうか。85才のスミさんが最高齢だったかどうか分からないけれど、わが教室だけでなく岩国の福祉や文化的な実情を考えるととても励みになる嬉しいニュースであることはまちがいない。
本人だけでなくご家族に連絡するとたいへんな騒ぎになっているということだった。
「してやったり、、、」ぼくは密かにこういう状況をつくってみたいと思っていただけに嬉しい気分、とても痛快であった。
新年の年明けに『磯崎有輔彫刻展』を訪ねた際、周南文化財団が発行している『かるちゃあ通信 花畠』の冒頭に周南美術博物館の館長有田さんの新年のごあいさつにふれる機会を得ました。
今年は周南市が生んだ詩人・まどみちおさんの生誕110年にあたるとのこと。この著名な詩人の顕彰や研究はいろいろな方々によってすすめられてはいるもののまだまだ未知の部分が多いといわれます。
ここでは『ロケット』という童謡の調査からここに紹介した校歌「しょうがくせいだ しゅっぱつだ』に辿りつき校名もなく漢字もつかわれていないこの校歌が発表されたとき多くの関係者を驚かせたというエピソードを紹介しています。
この新傾向の校歌を詩人・谷川俊太郎は高く評価し、校歌を生きた歌にするのは、生徒と教師がつくっていく歴史そのものにある、とくくられたということです。
しょうがくせいだ しゅっぱつだ(作詞:まどみちお 作曲:金光威和雄)
けんかを したって ともだちだ
あだなを つけても せんせいだ
やっほー やっほー
しょうがくせいだ しゅっぱつだ
おとなへ むかって
あしたへ むかって
やっほー
なんでも ほんきだ てきぱきだ
ゆびきり げんまん まもるんだ
やっほー やっほー
しょうがくせいだ しゅっぱつだ
せかいへ むかって
へいわへ むかって
やっほー
ちきゅうが みんなの ふるさとだ
ツクシも メダカも しんるいだ
やっほー やっほー
しょうがくせいだ しゅっぱつだ
きぼうへ むかって
うちゅうへ むかって
やっほー
このまなざしは色あせるどころかますます輝きを放っているように思われます。
この国だけでなく、ますます殺伐としていく世界の情勢を見てもこの校歌はぼくたち大人へ向けられているようにも感じとれる気もします。
校名のないじつに不思議な校歌です。
新設されたきれいな園舎でのびのびと絵を描いています。今日は『ビニール画』に取り組みました。
まわりをキョロキョロしないでオレのが一番と思って描くんだよ。
友だちの絵もけっこういいぞーっ。
アートドキュメント2004錦帯橋プロジェクトで岩国のぼくたちともお馴染みの彫刻家磯崎有輔さんの大規模な展覧会が明日12日から3月10日まで周南市郷土美術資料館にて開催されます。
磯崎さんは周南市生まれで東京芸大彫刻科コースに学んだ新進気鋭の彫刻家の一人です。
ぼくは周東パストラルホールで行われた作品展で彼の『CELL』という抽象的な作品にふれたのが最初の出会いでした。
その後、錦帯橋プロジェクトに参加していただき参加作家の肖像彫刻を錦雲閣に並べた「ハーモニー」という作品を制作されました。錦帯橋プロジェクトに出品されたその作品は平成の架け替え事業にともなう錦帯橋の解体材料で巨大な台座に設置したもので錦帯橋を訪れた多くの人に注目されました。
このころは具象的な作風でしたがその後2014年だったか東北の被災地を訪ねる前に東京銀座のフォルム画廊で行なわれた個展を横須賀市立美術館の『小林孝亘展』と町田市文学館の『赤瀬川原平と尾辻克彦展』とともに拝見しました。
ところが銀座の画廊は日曜日が休廊ということを忘れていてそのときは残念ながら磯崎さんの個展は画廊のウインドウ越しに小品を観ることしかできませんでした。
今回はそのとき見逃した大作が拝見できそうで楽し みです。
みなさんも是非とも周南市へ足を運んで楽しんでいただければと思います。
次々と作品が仕上がっています。これはスミさん。
これは中澤さん。
頑張っていますな。
玉井さんの空の作品も完成しました。
小方さんの犬も何とか仕上がっています。
川部さんもやっと完成しました。