大寒

  • 2018.01.29 Monday
  • 01:25



うーっ、何だこの寒さは、、、

訃報

  • 2018.01.24 Wednesday
  • 15:16

名作『ゲド戦記』、SFファンタジー小説の巨匠ル・グウィン氏(88歳)が亡くなられた。日本では清水眞砂子さんによって翻訳され多くの人々に親しまれた作品だ。

ぼくは『キッズパワープロジェクト2005大人の子ども、子どもの大人』の企画に際して5〜6巻のこの作品を読了した。とりわけ第2巻『こわれた腕輪』アチュアンの地下迷宮の物語は印象的だった。

その後、そのプロジェクトに関わった地域の人たちと一緒に瀬戸内海にあるアートの島・直島の地中美術館を訪ねた際にもそのことを思いだした。その地中美術館はいうまでもなくクロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームス・タレル、建築家・安藤忠雄の4人の作品で構成された美術館でまさしく地中にあった。

 

『ゲド戦記』は架空の地図、架空の場所を舞台に繰り広げられる架空の物語で壮大なスケールで描かれた小説だが、とりわけ作品そのものの構成と展開、ロマンに満ち溢れた大作には圧倒された。

キッズパワープロジェクト2005の記念講演とシンポジウムに参加された清水さんは、ル・グウィンの『ゲド戦記』の翻訳におよそ30年かけて取り組まれたといわれた。その後まもなく、その功績に対して日本翻訳賞が贈られ大いに話題にもなった、と記憶している。

 

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一方、数日前に報じられたように評論家・西部邁氏が他界されたことも個人的には大いにショッキングなできごとだった。とはいっても『批評する精神』『大衆への反逆』など数冊の著作にしか触れていないのだが、テレビの「朝生・・」番組、対談や西部ゼミナールでの保守思想の理路は痛快でまことに説得力があった。

最近では昨年の衆議院総選挙の後、偶然にBSフジテレビに共産党の小池晃とともに出演されたようすは記憶に新しいところだった。その番組ではインタビューに答えて、保守革新、右派左派を越えた視点で現況を語るものだったが、不思議なことに両者が嚙み合っていておもしろかった。

 

ともにご冥福をお祈りしたいと思います。

 

 

さととめぐの自画像

  • 2018.01.20 Saturday
  • 19:07

 

先週は新年早々にインフルエンザでお休みしたこの姉妹。今日は元気になって一週遅れの自画像にとりかかった。

 

 

時間が足りなくて二人は鉛筆画になったが結構おもしろく仕上がっています。これ、何となくモディリアニの雰囲気がしていいですね。

 

ピュアラインにしきの猪

  • 2018.01.18 Thursday
  • 19:36

 

道の駅にいた猪。

なにを考えているのだろう。

ひとりでゆっくりと歩きながら行ったり来たりをくりかえしていた。

ひとそれぞれ

  • 2018.01.17 Wednesday
  • 14:51

 

通津教室は小方さんの作品が完成しました。ご高齢ながらよく頑張っています。

 

 

こちらは玉井画伯の『風景』30号の作品。大胆な筆跡で気持ちのいい作品に仕上がっていますね。

 

 

アトリエでは中村さんが60号の『達磨』に取りかかっています。

 

 

何やらこちらにも怪しい作品。何をしでかす気かこの人は、、、。

作品はひとそれぞれ、いろいろあっておもしろい。

 

今年はなにかいいことありそうだ❗

 

 

教室が始動するの巻

  • 2018.01.14 Sunday
  • 01:42


それぞれのクラスが始動しました。こちらは 愛宕教室。



こちらは水曜日アトリエの一般クラス。




子どもたちも始動しました。この日はあま りの寒さで新年の凧上げをやめて年頭の自画像を描いたあと簡単な新年会。インフルエンザでお休みの子もいたが堀池の鯉やカモに餌を与えたりして楽しいスタートになりました。

通津教室も受験生たちもそろって始動しています。


食と農の映画祭in岩国

  • 2018.01.13 Saturday
  • 20:13

ドキュメント映画『カレーライスを一から作る』(前田亜紀監督作品)

2018年1月20日(土)10時30分〜上映  13時30分〜上映

シンフォニア岩国多目的ホール

一般:前売り800円(当日999円)高校生以下:500円(当日券のみ)

 

 

探検家で医師でもある武蔵野美術大学教授・関野吉晴による「食」の探検 一杯のカレーに何を知る?

 

霊長類学者・京大総長山際寿一さんも絶賛!!

ヒトは他の生き物を食べなくては生きられない。でも生き物って何だ。そんな単純なことがわからなくなった現代を、食の一切を体験することによって考えなおす衝撃の授業。

 

 

この作品は探検家で医師でもある武蔵野美術大学教授・関野吉晴さんんと武蔵野美大の学生たちによる課外ゼミによる2015年の活動から「一からカレーライスを作る」取り組みを記録したドキュメント作品だ。

関野さんの意図は「モノの原点がどうなっているかを探していくと社会が見えてくる。カレー作りを通して学生たちに色々なことに”気づいて”もらいたい」とするものでこの呼びかけに100名を超える美大生たちが集まったという。

「おいしいカレーが食べたくて・・・」そんなつもりで始めたが、思うように野菜は育たず、雑草に悪戦苦闘。一杯のカレーのための果てしない道のりに、多くの学生が挫折する一方、世話に励むあまり家畜に愛着が湧き、殺すべきか葛藤する者も・・・。

これは「食べる」「生きる」という、人間にとってごく当たり前で、基本的な営みを見つめ直すドキュメンタリー映画である。

 

関野吉晴 1949年生まれ。人類の足跡を辿る「グレートジャーニー」の探検で知られる。1999年植村直己冒険賞を受賞。

 

モノや情報に溢れた今だからこそ人が生きてきた原初の営みを想像してみたい。過去へと回帰するのではなく想像力を喚起するのだ。想像力の喚起によって現代に生きるぼくたちの立ち位置もみえ方も変わってくるかもしれない。食のあり方から社会や環境の問題がみえてくるように・・・

『カレーライスを一から作る』どうぞお見逃しなく!

 

 

ファンタジーの王様

  • 2018.01.13 Saturday
  • 17:42

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武井武雄展 2018年1月5日(金)―2月18日(日) 9時30分〜17時(入館は16時30分まで)

 

周南市美術博物館

月曜休館 ただし1月8日(月・祝)、2月12日(月・振休)開館

1月9日(火)、2月13日(火)休館

※1月5日(金)は、9時〜開会式を行います。

 

一 般:1,000円(800円)大学生: 800円(600円)( )は前売および20名以上の団体 18歳以下無料

※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳等をご持参の方とその介護の方は無料 ※本展をご鑑賞の際は、常設展も無料でご覧いただけます

 

現在、周南市美術博物館では大正昭和と活躍したファンタジーの王様、児童画のパイオニアと称される画家武井武雄の展覧会が開催されています。数年前のインドのニューデリーで行われたIBBYの大会に寄せられた格調高い皇后陛下の基調講演でもこの画家のことにふれられています。

武井武雄は、「こどものために描かれる絵画はそれ自体がすぐれた芸術作品でなくてはならない」という主張のもと、こどもの魂にふれる絵の創造をめざし、「日本童画のパイオニア」と称されています。

『コドモノクニ』『チャイルドブック』『キンダーブック』などで彼の作品に出会われた方も多いことでしょう。

大正から昭和にかけて、子どもたちは彼の生み出すファンタジーで育ってきたといっても過言ではありません。

そういった童画制作の一方、版画や「本の宝石」ともよばれる刊本作品、「イルフトイス」と名付けた玩具、文学、デザインなど、幅広い創作活動を行っています。

今回の展覧会では、ふるさと長野県岡谷市にあるイルフ童画館のご協力をいただき、武井武雄の多彩な作品世界を紹介します。

ユーモアと優しさに包まれた魅力あふれる武井武雄の世界をお楽しみください。

 

周南市美術博物館の新年早々の企画展です。このチャンス、知るひとぞ知る武井武雄の世界をどうぞお見逃しなく!

 

さつま芋

  • 2018.01.11 Thursday
  • 00:49

新年、早々に描きあげた徳田画伯の「さつま芋」



ダイナミックな作品で好感がもてますね。とても良いと思います。

豆苗の第2弾

  • 2018.01.11 Thursday
  • 00:37

豆苗(とうみょう)の第2弾。




勢いが出てきました。鮮やかなグリーンです。


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原田美術教室の活動


♛ 第16回絵画のいろは展
2023年11月15日wed〜11月19日sun
10:00〜18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール


この展覧会は、絵を描きはじめて間もない人から山口県美展・岩国市美展など他の美術コンクールや個展などで活躍している大人に加えて、これまでTRY展として活動してきた子どもたちを含む初心者から経験者までの作品を一堂に展示する原田美術教室の研究生およそ20名で構成するものです。 アトリエや教室での日ごろの研究成果を発表すると同時に、人と人、表現と表現のふれあうなかで単に技術の習得のみならず、絵を描くことで何を考え、何を発見することができるかということから、「文化的な営みと豊かさ」あるいは「活力と潤いのある生活」とは何か、という問いについて考える契機となることを願っています。 「絵画のいろは」とは、このように制作上の技術の問題だけでなく、日常生活での活力や潤いのある生活のあり方を考える実践的問いかけに他ならないのです。 特に今回は子どもたちの作品を含めて広く深くそのことを考える風通しのいい構成となっています。研究生として親睦を兼ねたコミュニケーションを大切にし、互いの作品を認める楽しさや表現の多様性について考え、アートのおもしろさを伝えることで地域の芸術文化活動の普及と発展に寄与したいと願うものです。














子どもの作品が大人気








♛ グループ小品展2024
2024年10月3日(水)〜10月6日(日)
10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール



この展覧会グループ小品展は、絵を描きはじめて間もない初心者から山口県美展・岩国市美展など他の美術コンクールや個展などで活躍している経験者までを含む原田美術教室の研究生で構成され、絵画のいろは展とともに隔年で開催するものです。 今回のグループ小品展では、日ごろの研究成果を発表すると同時に、人と人、表現と表現のふれあうなかで単に技術の習得のみならず、絵を描くことで何を考え、何を発見することができるかということ。そして、「文化的な営みと豊かさ」あるいは「活力と潤いのある生活」とは何か、という問いについて考えることを目的としています。 また、グループ研究生として互いの親睦を兼ねたコミュニケーションを大切にし、互いの作品を認める楽しさを発見すると同時に表現の多様性について考え、アートの楽しさを伝えることで地域の芸術文化活動の普及と発展に寄与し貢献したいと願うものです。









 

♛ 山口県美術展覧会2019 2019年2月14日(木)−3月3日(日)9:00−17:00(入館は16:30まで) 
休館日:2月18日(月)、25日(月)
観覧料/一般:500(400)円 学生:400(300)円( )内は20人以上の団体料金
*18歳以下は無料 *70才以上の方、中東教育学校、高等学校、特別支援学校に在学する方等は無料 *障碍者手帳等をご持参の方とその介護の方1名は無料
山口県立美術館

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優秀賞 藤本スミ

入選 玉井康子

入選 中村みどり



佳作賞 浜桐陽子

原田文明の現況2021展


2021年5月19日wed−5月23日sun
10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール



本展は1990年代のはじめ頃から具体絵画として精力的に発表してきた一連の絵画作品とドローイングとインスタレーションによる新作13点で構成するのものです。













原田文明展 ドローイングインスタレーション2018


2018年11月21日wed−25日sun 10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール











ドローイングインスタレーションは、ここ十数年にわたって絵画表現の可能性について考えてきた一連の営為の中で、偶然とも必然ともいえる結果として発見されたものです。
私はこれまで「具体絵画」と称して、物質(素材)が表現目的の手段として扱われるのではなく、物質のあり方それ自体を色彩やフォルムと等しく絵画の重要な構成要素とする一連の作品を制作してきました。
ここでは行為と物質がもたらす一回性の出来事さえも絵画を成立させる重要な要素として捉え、作為的な感性によって空間へと展開されています。いうまでもなく、そのことによって生成される新しい意味と存在の可能性をリアルな知覚的世界として位置づけ、形而上学的な意味を問いかける主知的な営為と考えてきたのです。
さらに、その表現形式のあり方は平面的な二次元の世界から室内空間(場所)を構成する三次元的な世界へとその機能性を拡張し、ドローイングインスタレーションともいうべき様式へと変容させ意識化されてきたとも云えます。
私にとってもはや絵画は多元的な空間へと自在に移ろうイリュージョンの世界へと変容してきたと云うべきかもしれません。それは身体性を意識したメタフィジカルな実践として存在論的に見えかくれする場面への接近であり、換言すれば世界を包み込む現存(リアルな世界)への希求の現われというべきかも知れないのです。
本展はこれまでの多岐にわたる活動をふまえてたどりついた新作ドローイングインスタレーションの様式にさらに色彩的要素を取り入れることによって新境地への挑戦と可能性を探求する原田文明の現況とその一端を示すものです。

里の芸術一揆「里山 ART Project 吉賀」




本プロジェクトは隔年式のアートビエンナーレとして、将来の「地域」「文化」「くらし」を考える文化的なムーブメント(運動)をつくることを目的とするものです。また、地域の農耕文化や伝統に学び、芸術文化の振興発展と普及のみならず、「生活と芸術」「過去と現在」「人と地域」の交流を軸とする文化による地域づくりについて考えるものです。 このことは、吉賀町がこれまで取り組んできた自然との共存共生を願うエコビレッジ構想と合わせて、人間の営みとしての文化と里山の自然について考えることであり、里山に潜在する魅力とその可能性を再確認し文化意識の変革と活性化を推進するものです。 今回は、現代アートの最前線で活躍する8名のアーティストによる最新作を現地で制作し、地域住民とともにワークショップや生活文化など多方面での活発な交流が実現されるものと考えています。 2010年10月開催予定。

岩瀬成子話題の本棚


ジャングルジム(2022年ゴブリン書房)


ひみつの犬(2022年岩崎書店)
「いい人間になるのって難しいよ」とお姉ちゃんは言った。(p238)
児童文学として哲学的な問いをふくむシリアスな問題を子ども特有の感覚と生き生きとした表現で描いた長編物語。


わたしのあのこあのこのわたし(2021年 PHP研究所)

すれちがいながらも 助け合う ふたりの物語

秋ちゃんはすごく怒っていた。「とりかえしがつかない」と秋ちゃんはいった。
「二度と手に入らない」ともいった。どの言葉もわたしに命中した。
きいている途中から心臓がどきどきしはじめた。
わたしは秋ちゃんの怒った顔だけを見ていた。
秋ちゃんの怒りがどんどんふくらんでいくのがわかった。
秋ちゃんはわたしをゆるしてくれないかもしれない。


ネムノキをきらないで(2020年 文研出版)
この物語はおじいさんの家の庭にあるネムノキをきる話からはじまる。ぼくはネムノキをきることに反対だが枝がのびすぎてあぶなくなったから樹木医さんに相談して剪定してもらうことになった、ということだ。
「だめ、だめ。」と、ぼくは泣きながらいった。「こまったなあ。」とおじいさんはいった。お母さんはぼくの頭をなでようとした。ぼくはその手をふりはらった。「ばかだ。おとなはみんな大ばかだ。」ぼくにはもっといいたいことがあった。ネムノキについて。でも、どういえばいいかわからなかった。(…略)胸のなかは嵐のようだった。いろいろな気もちがぶつかり合っていて、どうすればもとのような落ち着いた気もちになれるのかわからなかった。(本文よりp16〜17)
家に帰った伸夫はつぎの朝、自分の部屋をでるとき何も知らずに柱をとおりかかったイエグモをつぶしてしまったことに気づく。


おとうさんのかお(2020年 佼成出版)

岩瀬成子の最新作「おとうさんのかお」が佼成出版社から出版されました。

「遠くを見ろっていったんだよね。おとうさん」と、わたしはいいました。「え」と、おとうさんはわたしをみました。「わたし、思いだした。このまえ、大川で思いだしかけていたこと。じてん車のれんしゅうをしていたときのこと。おとうさんは、『目の前ばっかり見てちゃだめ。もっと先のほうを見なきゃ』っていったよ」「そうだったかな」「『先のほうだけでもだめ、ときどき、ずっと遠くを見るんだ。ずっとずっと遠くだよ。山のむこう遠く』っていったよ」(本文よりp87)


もうひとつの曲り角(2019年 講談社)
野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。

柵には半開きになった木の扉がついていて、その扉に「どうぞお入りください」と青色のマジックで書かれた板がぶらさがっていた。 「いやだ。あたしはそんなところへは、ぜったいに入らないから」ときこえた。 えっ。どきんとした。 庭木のむこうからだった。わたしにむかっていったんだろうか。 わたしは耳をすまして、木々にさえぎられて見えない庭のようすをうかがった。 しんとしていた。 だれがいるんだろう。 わたしはぶらさがっている板をもう一度見た。 それから足音を立てないようにして、そっと扉のあいだから庭に入っていった。しかられたら、すぐににげだすつもりだった。ちょっとだけ、のぞいてみたかった。──本文より。 小学五年のわたしと中一の兄は二ヶ月前、母の理想の新しい家、市の東側から西側へ引っ越してきた。この町で通い出した英会話スクールが休講だったので、わたしはふと通ったことのない道へ行ってみたくなる。道のずっと先には道路にまで木の枝が伸びている家があり、白い花がちらほらと咲いて・・・・。

日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏による美しい装画にも注目!

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地図を広げて(2018年 偕成社)
父親と2人暮らしの鈴のもとに、母親が倒れたという知らせがとどく。母はそのまま亡くなってしまい、母親のもとにいた弟の圭が、鈴たちといっしょに暮らすことになった。 たがいに離れていた時間のこと、それぞれがもつ母親との思い出。さまざまな思いをかかえて揺れ動く子どもたちの感情をこまやかにとらえ、たがいを思いやりながら、手探りでつくる新しい家族の日々をていねいに描いた感動作。


ともだちのときちゃん(2017年 フレーベル館)
フレーベル館【おはなしのまどシリーズ】として出版された岩瀬成子の新刊『ともだちのときちゃん』は、イメージの広がりとこの年頃の子どもが経験する瑞々しい出会いにあふれています。(略)著者はそういう細部をみつめる子どもの感情をとてもよく描いていて、このお話しの最後のところでたくさんのコスモスの花にかこまれて青い空と雲をみつながら「ぜんぶ、ぜんぶ、きれいだねえ」とふたりの気持ちをつたえています。

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ちょっとおんぶ(2017年 講談社)
6才のこども特有のイノセントな感覚世界。この年ごろの人間だけが経験できる世界認識のあり方が本当にあるのかもしれない。あっていいとも思うし、ぼくはそれを信じていいようにも思います。名作「もりのなか」(マリー・ホール・エッツ)が普遍的に愛読されるのもこの点で納得できる気がするのです。
この本の帯にあるように、絵本を卒業する必要はないけれど絵本を卒業したお子さんのひとり読みや、読みきかせにぴったり!といえるかもしれません。どうぞ、手にとって読んでみてくださいね。

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マルの背中(2016年 講談社)
父と弟の理央が暮らす家を出て母と二人で生活する亜澄は、駄菓子屋のおじさんから近所で評判の“幸運の猫”を預かることに。野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化大賞受賞作家による感動作!

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ぼくが弟にしたこと(2015年 理論社)
成長の予兆を感じさせるように父と再会した麻里生には、次第に人混みにまぎれていく父の姿は特別な人には見えなかった。著者は帯にこう書き記している。どの家庭にも事情というものがあって、その中で子どもは生きるしかありません。それが辛くて誰にも言えない事だとしても、言葉にすることで、なんとかそれを超えるきっかけになるのでは、と思います。

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きみは知らないほうがいい(2014年 文研出版)
2015年度産経児童出版文化大賞受賞。
クニさんの失踪、クラスメートの関係性が微妙に変化するいくつかのエピソード、昼間くんの手紙、錯綜するその渦の中で二人の心の変化と移ろいを軸に物語は複雑な展開をみせる。
最終章、米利の手紙にはこう書いてある。それはぐるぐると自然に起きる渦巻のようなものだった。「いじめ」という言葉でいいあらわせない出来事があちこちで渦巻いている学校。
それでも明るい光に照らされている学校。そして苦い汁でぬるぬるとしている学校。学校よ、と思う。そんなに偉いのか。そんなに強いのか。そんなに正しいのか。わたしは手でポケットの上をぽんぽんとたたいた。

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あたらしい子がきて(2014年 岩崎書店)
前作『なみだひっこんでろ』の続編のようでもあり、“みき”と“るい”姉妹のお話となっているけれど、ストーリーそのものはそれとはちがうまったく新しいものである。 ここでは、お母さんのお母さんとその姉、つまり“おばあちゃん”と“おおばあちゃん”という姉妹がいて、知的障害のある57歳の“よしえちゃん”とその弟の“あきちゃん”の姉弟が登場する。 このように“みき”と“るい”姉妹の周りにもそれぞれの兄弟が重層的に描かれている。
第52回野間児童文芸賞、JBBY賞、IBBYオナーリスト賞を受賞。

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くもりときどき晴レル(2014年 理論社)
ひとを好きになるとどうして普通の気持ちじゃなくなるのだろう。誰でもこのような不思議な感情に戸惑いを感じることがある。恋愛感情とも云えないやりきれない気持ちの動きと戸惑いをともなう心理状態のことだ。 本著は、「アスパラ」「恋じゃなくても」「こんちゃん」「マスキングテープ」「背中」「梅の道」という6つの物語で構成された短編集であるけれど、思春期を向かえる少し前になるそれぞれの子どもの現在としてそのやわらかい気持ちの揺れを瑞々しいタッチで描いたもの。

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なみだひっこんでろ(2012年 岩崎書店)
今年度第59回課題図書に決定!

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ピース・ヴィレッジ(2011年 偕成社)


大人になっていく少女たちをみずみずしく描く
「最後の場面のあまりのうつくしさに言葉をうしなった。私たちは覚えている、子どもからゆっくりと大人になっていく、あのちっともうつくしくない、でも忘れがたい、金色の時間のことを。」 角田光代
基地の町にすむ小学6年生の楓と中学1年生の紀理。自分をとりまく世界に一歩ずつふみだしていく少女たちをみずみずしく描いた児童文学。
偕成社から好評新刊発売中!

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だれにもいえない(岩瀬成子著・網中いづる画、毎日新聞社)


小さな女の子のラヴストーリー。
点くんをきらいになれたらな、と急に思った。 きらいになったら、わたしは元どおりのわたしにもどれる気がする。 だれにも隠しごとをしなくてもすむし、 びくびくしたり、どきどきしたりしなくてもすむ。(本文より)
4年生の女の子はデリケートだ。 せつなくて、あったかい、岩瀬成子の世界。 おとなも、子どもたちにもおすすめの一冊。

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まつりちゃん(岩瀬成子著、理論社)
この作品は連作短編集という形式で構成され、抑制の効いた淡々とした表現で描かれているところが新鮮である。各篇ごとにちがった状況が設定され登場人物(老人から子ども)たちはそれぞれ不安、孤独、ストレスといった現代的な悩みを抱えている。その中で全篇を通して登場する“まつりちゃん”という小さな女の子は、天使のように無垢なる存在として現れる。その女の子と関わることによって物語は不思議なこと癒しの地平へと開示され、文学的世界が立ち上がるかのようだ。 岩瀬成子の新しい文学的境地を感じさせる魅力的な一冊ともいえる。

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オール・マイ・ラヴィング(岩瀬成子著、集英社)

■ 1966年、ビートルズが日本にやって来た!14歳の少女が住む町にビートルズファンは一人だけだった。 ■ 「オール マイ ラヴィング」とビートルズは歌う。聴いていると、だんだんわたしは内側からわたしではなくなっていく。外側にくっついているいろいろなものを振り落として、わたしは半分わたしではなくなる。ビートルズに染まったわたしとなる。 ■ 岩瀬成子の新刊、1月31日集英社から好評発売中。“あの時代”を等身大の少女の目でみつめた感動の書き下ろし長編小説 『オール・マイ・ラヴィング』 ■ ビートルズ ファン必見の文学はこれだ!

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そのぬくもりはきえない(岩瀬成子著、偕成社)
■ 日本児童文学者協会賞受賞


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朝はだんだん見えてくる(岩瀬成子著、理論社) ■ 1977年、岩瀬成子のデビュー作。本書はそのリニューアル版で理論社の『名作の森』シリーズとして再発行されたもの。

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