• 2009.10.31 Saturday
  • 16:46


今日はN製作所に行って、今度の作品に必要な鋼材を探した。
プランニングのイメージはだいたい出来ている。
路地プロジェクト里山で制作した「里の木々」の新作と合わせて発表しようと思っているのだ。そのイメージも仕上がっている。
つまり、鉄と石を組み合わせた新作を制作しようとしているのだ。
N製作所はこれまでにも何回か行っているけれど、ここでは「曲げ加工」や「溶接、シャーリング」などができる。
不思議なことにここに来るとイメージが広がることがあって面白い。



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キンちゃんと日向ぼっこ

  • 2009.10.30 Friday
  • 20:30
今日は午前中、キンちゃんと日向ぼっこをした。
一日中、布団の中で横になっているキンちゃんはもう動けなくなっている。
水を飲むときも介護が必要になった。
障子戸を開けると、あたたかい日が差し込んだ。
キンちゃんは思わずこれに反応した。



新しいシーツを敷いて陽だまりの中で気持よさそうに静かにしていた。
「キンちゃんは充分生きたよ」と声をかけたらシッポを動かした。
もう足が立たないくらいゴリゴリにやせている。
それはそうだろう、食事ができなくなって20日を過ぎたのだから・・・

僕が倉庫からストーブを出していると立ち上がったので外に出してやった。
キンちゃんは久しぶりに庭土の上を歩いた。
ヨロヨロと・・・
そして手水鉢(
ちょうずばち)の水を飲んだ。
一時間ばかり庭の隅でじっとしていた。

僕はキンの痩せた姿を写真に撮った。
キンちゃんは何を考えていたのだろうか。
「もう中に入ろう・・・」といって、
僕はキンを抱きかかえ家の中に入れた。



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「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(最終)

  • 2009.10.30 Friday
  • 07:36
「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(最終)
 
2004.5.25
 
 





一年がかりのプロジェクトはこうして終わった。
磯崎有輔「ハーモニー」、戸谷成雄「灰餅の木」、西雅秋「
recasting cupper and iron」、原田文明「祈りプロジェクト」、村中保彦「雲の上の町」、この五つの作品はどれも素晴らしい作品だった、と私は自信をもっていいきれる。

山口県立美術館の斎藤郁夫さんは、若い高校生たちを70人近くも巻き込んで、まさしく地域ぐるみで大騒ぎして取り組んだこの錦帯橋プロジェクトに寄せて、その意味と意義について分かりやすい文章を送ってくれた。自己表現としての“遊び”の魅力がこのプロジェクトの全体だというように私には伝わってきた。

そして、この遊び(プロジェクト体験)を出来事として捉え返すことで意識化されていく。私たちはこうして意識化されていく作用全体を「無形のアート」と考えようとしたのだった。
 




戸谷成雄の作品は本人の意向で、1年間あの場所にそのまま残されることになった。ひっそりとたたずんでいる作品は周囲の新緑に馴染んで、プロジェクトが終了した今でも美しい。

村中の作品「雲の上の町」は、是非とも寄贈して欲しいとの 岩国市 からの強い要請に応える方向でまとまり、その場所に残すことになった。

西の作品「recasting cupper and iron」は現在、私が預かっている。出来ることなら、私はその作品を岩国に残したいと思っている。残すべきだとも考えている。 岩国市 が興味を示さないなら仕方がないけれど、市民の財産として残せるよう市民からコレクターを探している。

磯崎の作品「ハーモニー」は4体を徳山の実家の倉庫に、解体材でつくられた大きな台座は市への返却を断られたので天板の部分を除いて処分した。

私と戸谷の作品「祈りプロジェクト」「灰餅の木」は物質としては消滅するが、私たちの記憶として残り、絶えず私たちに何かを語りつづけるだろう。

 
 


斎藤さんはプロジェクトが終了した今、私たちはただ次のように言えばいい、またそういうことで全てが伝えられるはずだとして「楽しかったね。また遊ぼうよ」としめた。

偶然にも、私はヨーロッパから帰ってきた西雅秋と電話で「面白かったよ!またやろうや、還暦までに」と言ったのだった。(敬称略、おわり)

 


Art document 2004 KINTAIKYO project 公式ホームページ



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今日のムラツカ

  • 2009.10.29 Thursday
  • 16:06


今日のムラツカ商店は野菜とくだものがたっぷりあった。しかも安いときている。
おまけに柿をいただいて、それをほうばりながら買い物をするといった調子だ。
エコバックなどではとてもとても入らないので、いつもダンボール箱に入れてもらうことになってしまうのだ。
嬉しくなって、ついつい携帯カメラで撮影したくなる。
他にもこんな魚屋さんがどうしてないのかと思ってしまう。あって欲しいと願うばかりだ。
今日はあたたかく天気も良くて気持ちのいい買い物ができた。感謝!!





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「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(12)

  • 2009.10.29 Thursday
  • 13:27
「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(12)

2004.5.25


59日、最終日は予想に反して天気は崩れなかった。私のワークショップも予定通り10時から行うことができた。子どもたちもドンドン集まってきて錦川の石ころ虫は行列をつくりはじめた。こうなると子どもたちは夢中になってどこまでも続けていくだろう。私はその場を放れる余裕も出てきたのだった。


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私は祈りプロジェクトの残骸がある錦城橋の下へ行った。そこは燃え残った熾きと焼却舟が積み上げられ、西の鉄と銅の100キロの塊と3本のインゴットが無造作に置かれてあった。いつもの2t クレーン車もいなかった。西は早朝、岩国を出発し東京へと向かったのだった。残されたその残骸を観に来たところで何になるのだろう。私は少し可笑しくなっ た。「こういうのってアリか?変な展覧会だよなあ」と思った。でも、直ぐに「これでいいのだ。プロジェクトはこれだから面白いのだ」とあらためて思い直したのだった。


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午後1時からは野上悦生のワークショップ「十色の会を中心とした詩の朗読会」が洞泉寺で行われた。野上は昨夜の後片付のあと、朗読会の資料作成で徹夜になったという。参加者は50人をはるかに超え、洞泉寺は大盛会となった。

アートドキュメント2004錦帯橋プロジェクトは終わりを告げようとしていた。午後3時過ぎ、洞泉寺を出るとポツリと雨が落ちた。撤去作業は翌日と設定していたが、私たちは小雨の中、事務所周りの後片付をすませ5日間のプロジェクトを終了した。(敬称略、つづく)





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農協と政治のあれこれ

  • 2009.10.28 Wednesday
  • 19:22

里の風景

里山アートプロジェクトなるものを企画していると、日本の農業のことが気になってくる。戦後60年この国の農業政策がないがしろにされてきたことが今になって大きな問題となっている感じだ。
八ツ場ダムにも直結する問題として、この国の環境保全を農林水産業が担ってきた事実が無視されてきたツケが今になって表面化してきたと言い換えることができるかもしれない。

25日の朝日新聞に日本の農業に関する記事が多く掲載されていた。朝日新聞が東北大学と共同でこの国の米どころ農家を対象に実施したアンケート結果が掲載されていたのだ。
これによると政権が自民から民主に移行してもほぼ半数の農家が「農協と政治のかかわり」について距離をとるべきだと応えている。
民主党が掲げる戸別所得補償制度に期待しながらも、制度の前提となる減反についてはこの制度を受け入れても「参加したい」「どちらかといえば参加」が合わせて61%だったという。ただ、制度自体がよく分からないという意見がほぼ9割。また、減反についてはその政策を維持するかどうかで分かれていて農家の考え方もゆれているとある。
共同調査した東北大の河村准教授は「政党も農協も農家の新たな意識を前提に、長期的ビジョンを示すべきだ」と分析していた。


一方、脱・農協として地域の挑戦が紹介されていた。既存の農協に飽き足らず、研ぎ澄ました経営感覚で地域をリードする「第二農協」の役割を果たす農家が出てきたと注目している。
山形県鶴岡市羽黒町では株「庄内こめ工房」斉藤さんは、農家のための農協をつくりたいとしている。良い米をつくろうと頑張っている農家もいれば、その気概のない農家もいる。平等の美名の下に一律の対応を取る農協に限界感じているのも事実だ。
独自路線を出そうとすると足を引っ張る風潮もあるようで、やむなく株式会社にかじを切り仲間に呼びかけると資本金はふくれ上がり出資者120人余、資本金4千万円になったという。
同社は米の集荷販売、肥料・農薬販売が主業務。栽培面積700ヘクタールをほこり活気ついている。

このほか島根県奥出雲町では役場が先頭になって「仁多米」のブランドを確立した。農協価格では他地域と同じになるからだ。
徐々にその味が認められ昨年度の売り上げは4億7千万円となり黒字経営が続いているとある。同社に納める農家は700戸だという。
これに似たようなことは多々ある。私の経験でも事業内容を理解しようとしないで、平等という美名の下に一律化をはかればやる気もうせてくる。

農家に密着したいい農協もあるというが、巨大化して金融中心になったところもあるのが実態らしい。







 

「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(11)

  • 2009.10.28 Wednesday
  • 10:48
「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(11)

2004.5.25

午後7時近くになって私たちは現場へと向かった。錦城橋の上には既にカメラをセットしている人など大勢の人が待ち構えていた。気が付いて周囲を見渡せば河川敷の土手沿いにも多くの人が集まっていた。夕方の薄明かりが残る中を私と姉ヶ山、三木の三人が舟を出した。錦城橋の上に西雅秋の顔が見えた。土手の方から手を振る群集がいた。私も手を振った。私たちは下流側から火を入れた。最初は手間取ったが火を入れるのは意外にも簡単にいくものだった。三つ目にかかる頃には下流の火はかなり勢い良く燃えていた。最後の舟に火を入れた頃には周囲はかなり暗くなっていた。私は舟を降りて土手に上がった。火の勢いは安定し益々燃え上がる様子で錦帯橋を背景としてとてもきれいだった。

 



画像をクリックしてください


戸谷成雄が酒を持ってかけつけた。「お神酒だ!」飲もう。周囲にはいろいろな人が集まっていた。私はがっちりと握手をしてその酒を皆と一緒になって飲んだ。燃え上がる炎は新しく生まれ変わった錦帯橋を照らし出し、物質としての古材は炎となって昇天し消滅した。それは見事だった。しばらくの間、火は燃えつづけ周囲は真っ暗になっていた。闇に浮かぶ水上の炎は錦川の流れに揺らぎ、錦帯橋を照らしつづけた。私たちの思い、一年間がかりのプロジェクトの経緯も何もかも炎とともに昇天し、この光景だけが記憶に残りつづけるだろう。

翌日の天気予報は雨を予告していた。9時まで燃やしつづけたあと、私たちは河川敷の西の作品があるレベルまで焼却舟を引き上げることにした。ロープを引き寄せ、燃え残った熾きを出して皆で担ぎ上げた。作業が終了した時はちょうど12時となっていて、周囲には誰もいなくなっていることに気が付いた。(敬称略、つづく)

 




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紅葉色?

  • 2009.10.27 Tuesday
  • 14:11


紅葉色?
この色はどのように説明できるのだろう。
新緑の緑も説明し難いものがあるけれど、
庭先に落ちていた珊瑚樹の葉の何ときれいなことかと
驚いた。
そして自然の営みに想いが膨らむ。
不思議だ



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「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(10)

  • 2009.10.27 Tuesday
  • 14:02
「錦帯橋プロジェクト」をふりかえる(10)

2004.5.25

58日、天気が心配だったが幸いにも祈りプロジェクトは実施できる様子だった。私はシンポジウムの司会をお願いした西村友里と打ち合わせをすませ、作品「祈りプロジェクト」の準備にかかった。アシスタントには中井、三木、姉ヶ山がついてくれ、土曜とあって池村、中村、中牟田先生方とともに高校生たちも来てくれた。この日は午後から美術ジャーナリスト・村田真さんの記念講演やシンポジウムが予定され多くの人が県外からも来ていた。私は手短に段取りを説明し、途中からアシスタントに設置作業をまかせた。そして、シンポジウム会場の設営に立ち会った。マイク、録音、プロジェクター、村田さんのスライドのセット等々の確認をすませた。すでに観衆が集まり始めていた。昨日のリハーサルで「祈りプロジェクト」の設置に関することは見当がついていた。全ては予定どおりとなっていた。

午後1時、村田さんの記念講演がはじまった。観衆は約120から130人くらい、各方面から大勢の人たちがきていた。「地域と現代アート」ということで、村田さんは国内外を問わず、地域とともにある(不動産)美術の実例をスライドを見せながら紹介された。従って、村田さんの講演は岩国の現状において極めてタイムリーで強いインパクトを与えられるとても良い企画となった。記念講演が終わり少しの休憩をとって、引き続いてシンポジウムがはじまった。シンポジウムは「アートと地域づくりを考える」というテーマとなっていたが作家の自己紹介に続いて作品についての話からはじまった。



私はあまりにも作家の話に偏り過ぎていた気がしたが、参加者からは意外にも「面白かった」という声が多かった。このような話は宇部の現代日本彫刻展などのオープニングでも聞くことは出来ない。大変貴重だし面白いということだった。それぞれの作家の言葉に聴衆は感動して盛大な拍手が沸き起こった。会場からの質問を受け付けたが、感動の余り質問は出なかった。このことは山口県立美術館の斎藤さんからプロジェクトへ寄せた文章でも指摘された。聴衆は無意識のうちに参加アーティストの話の中に引き込まれていた。パネリストの一人が公務で退席したあとも会場は大いに盛りあがり予定された時間を少しオーバーした。

私たちは控え室で一息ついた。私はやはり「祈りプロジェクト」の様子が心配で現場へ急いだ。設置は完璧だった。アシスタントの姉ヶ山が近づいてきて「上手くいったでしょう」と自身満々だった。「うん、上手くいったね。バッチリだ!」と私は応えた。火入れの時刻まで時間がある。私たちは観光ホテルで食事をすませることにした。ホテルにはシンポジウムに参加したパネリストや一部の観客が実行委員のスタッフと一緒に食事をとっていた。(敬称略、つづく)






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香月泰男ジュニア大賞絵画展受賞式

  • 2009.10.27 Tuesday
  • 11:40
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画像をクリックしてください

同展で銅賞に輝いた鈴木くんには、副賞として「香月画伯の絵の入った額」が手渡された。
お母さんからも
素敵な作品が沢山あって感動したとのメールが届きました。また作品集を一冊本を購入したとのことでした。

香月泰男はシベリアシリーズで有名ですが、山口県出身の画家に宮崎進という人がいます。この人の「もう一つのシベリア」シリーズも大変素晴らしい作品です。このことを契機としてアートの広がりや絵画表現のおもしろさにふれるといいですね。


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原田美術教室の活動


♛ 第16回絵画のいろは展
2023年11月15日wed〜11月19日sun
10:00〜18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール


この展覧会は、絵を描きはじめて間もない人から山口県美展・岩国市美展など他の美術コンクールや個展などで活躍している大人に加えて、これまでTRY展として活動してきた子どもたちを含む初心者から経験者までの作品を一堂に展示する原田美術教室の研究生およそ20名で構成するものです。 アトリエや教室での日ごろの研究成果を発表すると同時に、人と人、表現と表現のふれあうなかで単に技術の習得のみならず、絵を描くことで何を考え、何を発見することができるかということから、「文化的な営みと豊かさ」あるいは「活力と潤いのある生活」とは何か、という問いについて考える契機となることを願っています。 「絵画のいろは」とは、このように制作上の技術の問題だけでなく、日常生活での活力や潤いのある生活のあり方を考える実践的問いかけに他ならないのです。 特に今回は子どもたちの作品を含めて広く深くそのことを考える風通しのいい構成となっています。研究生として親睦を兼ねたコミュニケーションを大切にし、互いの作品を認める楽しさや表現の多様性について考え、アートのおもしろさを伝えることで地域の芸術文化活動の普及と発展に寄与したいと願うものです。














子どもの作品が大人気








♛ グループ小品展2024
2024年10月3日(水)〜10月6日(日)
10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール



この展覧会グループ小品展は、絵を描きはじめて間もない初心者から山口県美展・岩国市美展など他の美術コンクールや個展などで活躍している経験者までを含む原田美術教室の研究生で構成され、絵画のいろは展とともに隔年で開催するものです。 今回のグループ小品展では、日ごろの研究成果を発表すると同時に、人と人、表現と表現のふれあうなかで単に技術の習得のみならず、絵を描くことで何を考え、何を発見することができるかということ。そして、「文化的な営みと豊かさ」あるいは「活力と潤いのある生活」とは何か、という問いについて考えることを目的としています。 また、グループ研究生として互いの親睦を兼ねたコミュニケーションを大切にし、互いの作品を認める楽しさを発見すると同時に表現の多様性について考え、アートの楽しさを伝えることで地域の芸術文化活動の普及と発展に寄与し貢献したいと願うものです。









 

♛ 山口県美術展覧会2019 2019年2月14日(木)−3月3日(日)9:00−17:00(入館は16:30まで) 
休館日:2月18日(月)、25日(月)
観覧料/一般:500(400)円 学生:400(300)円( )内は20人以上の団体料金
*18歳以下は無料 *70才以上の方、中東教育学校、高等学校、特別支援学校に在学する方等は無料 *障碍者手帳等をご持参の方とその介護の方1名は無料
山口県立美術館

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優秀賞 藤本スミ

入選 玉井康子

入選 中村みどり



佳作賞 浜桐陽子

原田文明の現況2021展


2021年5月19日wed−5月23日sun
10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール



本展は1990年代のはじめ頃から具体絵画として精力的に発表してきた一連の絵画作品とドローイングとインスタレーションによる新作13点で構成するのものです。













原田文明展 ドローイングインスタレーション2018


2018年11月21日wed−25日sun 10:00−18:00
シンフォニア岩国企画展示ホール











ドローイングインスタレーションは、ここ十数年にわたって絵画表現の可能性について考えてきた一連の営為の中で、偶然とも必然ともいえる結果として発見されたものです。
私はこれまで「具体絵画」と称して、物質(素材)が表現目的の手段として扱われるのではなく、物質のあり方それ自体を色彩やフォルムと等しく絵画の重要な構成要素とする一連の作品を制作してきました。
ここでは行為と物質がもたらす一回性の出来事さえも絵画を成立させる重要な要素として捉え、作為的な感性によって空間へと展開されています。いうまでもなく、そのことによって生成される新しい意味と存在の可能性をリアルな知覚的世界として位置づけ、形而上学的な意味を問いかける主知的な営為と考えてきたのです。
さらに、その表現形式のあり方は平面的な二次元の世界から室内空間(場所)を構成する三次元的な世界へとその機能性を拡張し、ドローイングインスタレーションともいうべき様式へと変容させ意識化されてきたとも云えます。
私にとってもはや絵画は多元的な空間へと自在に移ろうイリュージョンの世界へと変容してきたと云うべきかもしれません。それは身体性を意識したメタフィジカルな実践として存在論的に見えかくれする場面への接近であり、換言すれば世界を包み込む現存(リアルな世界)への希求の現われというべきかも知れないのです。
本展はこれまでの多岐にわたる活動をふまえてたどりついた新作ドローイングインスタレーションの様式にさらに色彩的要素を取り入れることによって新境地への挑戦と可能性を探求する原田文明の現況とその一端を示すものです。

里の芸術一揆「里山 ART Project 吉賀」




本プロジェクトは隔年式のアートビエンナーレとして、将来の「地域」「文化」「くらし」を考える文化的なムーブメント(運動)をつくることを目的とするものです。また、地域の農耕文化や伝統に学び、芸術文化の振興発展と普及のみならず、「生活と芸術」「過去と現在」「人と地域」の交流を軸とする文化による地域づくりについて考えるものです。 このことは、吉賀町がこれまで取り組んできた自然との共存共生を願うエコビレッジ構想と合わせて、人間の営みとしての文化と里山の自然について考えることであり、里山に潜在する魅力とその可能性を再確認し文化意識の変革と活性化を推進するものです。 今回は、現代アートの最前線で活躍する8名のアーティストによる最新作を現地で制作し、地域住民とともにワークショップや生活文化など多方面での活発な交流が実現されるものと考えています。 2010年10月開催予定。

岩瀬成子話題の本棚


ジャングルジム(2022年ゴブリン書房)


ひみつの犬(2022年岩崎書店)
「いい人間になるのって難しいよ」とお姉ちゃんは言った。(p238)
児童文学として哲学的な問いをふくむシリアスな問題を子ども特有の感覚と生き生きとした表現で描いた長編物語。


わたしのあのこあのこのわたし(2021年 PHP研究所)

すれちがいながらも 助け合う ふたりの物語

秋ちゃんはすごく怒っていた。「とりかえしがつかない」と秋ちゃんはいった。
「二度と手に入らない」ともいった。どの言葉もわたしに命中した。
きいている途中から心臓がどきどきしはじめた。
わたしは秋ちゃんの怒った顔だけを見ていた。
秋ちゃんの怒りがどんどんふくらんでいくのがわかった。
秋ちゃんはわたしをゆるしてくれないかもしれない。


ネムノキをきらないで(2020年 文研出版)
この物語はおじいさんの家の庭にあるネムノキをきる話からはじまる。ぼくはネムノキをきることに反対だが枝がのびすぎてあぶなくなったから樹木医さんに相談して剪定してもらうことになった、ということだ。
「だめ、だめ。」と、ぼくは泣きながらいった。「こまったなあ。」とおじいさんはいった。お母さんはぼくの頭をなでようとした。ぼくはその手をふりはらった。「ばかだ。おとなはみんな大ばかだ。」ぼくにはもっといいたいことがあった。ネムノキについて。でも、どういえばいいかわからなかった。(…略)胸のなかは嵐のようだった。いろいろな気もちがぶつかり合っていて、どうすればもとのような落ち着いた気もちになれるのかわからなかった。(本文よりp16〜17)
家に帰った伸夫はつぎの朝、自分の部屋をでるとき何も知らずに柱をとおりかかったイエグモをつぶしてしまったことに気づく。


おとうさんのかお(2020年 佼成出版)

岩瀬成子の最新作「おとうさんのかお」が佼成出版社から出版されました。

「遠くを見ろっていったんだよね。おとうさん」と、わたしはいいました。「え」と、おとうさんはわたしをみました。「わたし、思いだした。このまえ、大川で思いだしかけていたこと。じてん車のれんしゅうをしていたときのこと。おとうさんは、『目の前ばっかり見てちゃだめ。もっと先のほうを見なきゃ』っていったよ」「そうだったかな」「『先のほうだけでもだめ、ときどき、ずっと遠くを見るんだ。ずっとずっと遠くだよ。山のむこう遠く』っていったよ」(本文よりp87)


もうひとつの曲り角(2019年 講談社)
野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。

柵には半開きになった木の扉がついていて、その扉に「どうぞお入りください」と青色のマジックで書かれた板がぶらさがっていた。 「いやだ。あたしはそんなところへは、ぜったいに入らないから」ときこえた。 えっ。どきんとした。 庭木のむこうからだった。わたしにむかっていったんだろうか。 わたしは耳をすまして、木々にさえぎられて見えない庭のようすをうかがった。 しんとしていた。 だれがいるんだろう。 わたしはぶらさがっている板をもう一度見た。 それから足音を立てないようにして、そっと扉のあいだから庭に入っていった。しかられたら、すぐににげだすつもりだった。ちょっとだけ、のぞいてみたかった。──本文より。 小学五年のわたしと中一の兄は二ヶ月前、母の理想の新しい家、市の東側から西側へ引っ越してきた。この町で通い出した英会話スクールが休講だったので、わたしはふと通ったことのない道へ行ってみたくなる。道のずっと先には道路にまで木の枝が伸びている家があり、白い花がちらほらと咲いて・・・・。

日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏による美しい装画にも注目!

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地図を広げて(2018年 偕成社)
父親と2人暮らしの鈴のもとに、母親が倒れたという知らせがとどく。母はそのまま亡くなってしまい、母親のもとにいた弟の圭が、鈴たちといっしょに暮らすことになった。 たがいに離れていた時間のこと、それぞれがもつ母親との思い出。さまざまな思いをかかえて揺れ動く子どもたちの感情をこまやかにとらえ、たがいを思いやりながら、手探りでつくる新しい家族の日々をていねいに描いた感動作。


ともだちのときちゃん(2017年 フレーベル館)
フレーベル館【おはなしのまどシリーズ】として出版された岩瀬成子の新刊『ともだちのときちゃん』は、イメージの広がりとこの年頃の子どもが経験する瑞々しい出会いにあふれています。(略)著者はそういう細部をみつめる子どもの感情をとてもよく描いていて、このお話しの最後のところでたくさんのコスモスの花にかこまれて青い空と雲をみつながら「ぜんぶ、ぜんぶ、きれいだねえ」とふたりの気持ちをつたえています。

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ちょっとおんぶ(2017年 講談社)
6才のこども特有のイノセントな感覚世界。この年ごろの人間だけが経験できる世界認識のあり方が本当にあるのかもしれない。あっていいとも思うし、ぼくはそれを信じていいようにも思います。名作「もりのなか」(マリー・ホール・エッツ)が普遍的に愛読されるのもこの点で納得できる気がするのです。
この本の帯にあるように、絵本を卒業する必要はないけれど絵本を卒業したお子さんのひとり読みや、読みきかせにぴったり!といえるかもしれません。どうぞ、手にとって読んでみてくださいね。

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マルの背中(2016年 講談社)
父と弟の理央が暮らす家を出て母と二人で生活する亜澄は、駄菓子屋のおじさんから近所で評判の“幸運の猫”を預かることに。野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化大賞受賞作家による感動作!

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ぼくが弟にしたこと(2015年 理論社)
成長の予兆を感じさせるように父と再会した麻里生には、次第に人混みにまぎれていく父の姿は特別な人には見えなかった。著者は帯にこう書き記している。どの家庭にも事情というものがあって、その中で子どもは生きるしかありません。それが辛くて誰にも言えない事だとしても、言葉にすることで、なんとかそれを超えるきっかけになるのでは、と思います。

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きみは知らないほうがいい(2014年 文研出版)
2015年度産経児童出版文化大賞受賞。
クニさんの失踪、クラスメートの関係性が微妙に変化するいくつかのエピソード、昼間くんの手紙、錯綜するその渦の中で二人の心の変化と移ろいを軸に物語は複雑な展開をみせる。
最終章、米利の手紙にはこう書いてある。それはぐるぐると自然に起きる渦巻のようなものだった。「いじめ」という言葉でいいあらわせない出来事があちこちで渦巻いている学校。
それでも明るい光に照らされている学校。そして苦い汁でぬるぬるとしている学校。学校よ、と思う。そんなに偉いのか。そんなに強いのか。そんなに正しいのか。わたしは手でポケットの上をぽんぽんとたたいた。

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あたらしい子がきて(2014年 岩崎書店)
前作『なみだひっこんでろ』の続編のようでもあり、“みき”と“るい”姉妹のお話となっているけれど、ストーリーそのものはそれとはちがうまったく新しいものである。 ここでは、お母さんのお母さんとその姉、つまり“おばあちゃん”と“おおばあちゃん”という姉妹がいて、知的障害のある57歳の“よしえちゃん”とその弟の“あきちゃん”の姉弟が登場する。 このように“みき”と“るい”姉妹の周りにもそれぞれの兄弟が重層的に描かれている。
第52回野間児童文芸賞、JBBY賞、IBBYオナーリスト賞を受賞。

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くもりときどき晴レル(2014年 理論社)
ひとを好きになるとどうして普通の気持ちじゃなくなるのだろう。誰でもこのような不思議な感情に戸惑いを感じることがある。恋愛感情とも云えないやりきれない気持ちの動きと戸惑いをともなう心理状態のことだ。 本著は、「アスパラ」「恋じゃなくても」「こんちゃん」「マスキングテープ」「背中」「梅の道」という6つの物語で構成された短編集であるけれど、思春期を向かえる少し前になるそれぞれの子どもの現在としてそのやわらかい気持ちの揺れを瑞々しいタッチで描いたもの。

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なみだひっこんでろ(2012年 岩崎書店)
今年度第59回課題図書に決定!

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ピース・ヴィレッジ(2011年 偕成社)


大人になっていく少女たちをみずみずしく描く
「最後の場面のあまりのうつくしさに言葉をうしなった。私たちは覚えている、子どもからゆっくりと大人になっていく、あのちっともうつくしくない、でも忘れがたい、金色の時間のことを。」 角田光代
基地の町にすむ小学6年生の楓と中学1年生の紀理。自分をとりまく世界に一歩ずつふみだしていく少女たちをみずみずしく描いた児童文学。
偕成社から好評新刊発売中!

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だれにもいえない(岩瀬成子著・網中いづる画、毎日新聞社)


小さな女の子のラヴストーリー。
点くんをきらいになれたらな、と急に思った。 きらいになったら、わたしは元どおりのわたしにもどれる気がする。 だれにも隠しごとをしなくてもすむし、 びくびくしたり、どきどきしたりしなくてもすむ。(本文より)
4年生の女の子はデリケートだ。 せつなくて、あったかい、岩瀬成子の世界。 おとなも、子どもたちにもおすすめの一冊。

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まつりちゃん(岩瀬成子著、理論社)
この作品は連作短編集という形式で構成され、抑制の効いた淡々とした表現で描かれているところが新鮮である。各篇ごとにちがった状況が設定され登場人物(老人から子ども)たちはそれぞれ不安、孤独、ストレスといった現代的な悩みを抱えている。その中で全篇を通して登場する“まつりちゃん”という小さな女の子は、天使のように無垢なる存在として現れる。その女の子と関わることによって物語は不思議なこと癒しの地平へと開示され、文学的世界が立ち上がるかのようだ。 岩瀬成子の新しい文学的境地を感じさせる魅力的な一冊ともいえる。

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オール・マイ・ラヴィング(岩瀬成子著、集英社)

■ 1966年、ビートルズが日本にやって来た!14歳の少女が住む町にビートルズファンは一人だけだった。 ■ 「オール マイ ラヴィング」とビートルズは歌う。聴いていると、だんだんわたしは内側からわたしではなくなっていく。外側にくっついているいろいろなものを振り落として、わたしは半分わたしではなくなる。ビートルズに染まったわたしとなる。 ■ 岩瀬成子の新刊、1月31日集英社から好評発売中。“あの時代”を等身大の少女の目でみつめた感動の書き下ろし長編小説 『オール・マイ・ラヴィング』 ■ ビートルズ ファン必見の文学はこれだ!

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そのぬくもりはきえない(岩瀬成子著、偕成社)
■ 日本児童文学者協会賞受賞


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朝はだんだん見えてくる(岩瀬成子著、理論社) ■ 1977年、岩瀬成子のデビュー作。本書はそのリニューアル版で理論社の『名作の森』シリーズとして再発行されたもの。

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